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延命寺 寺とパソコン

 

title 寺とパソコン

<VOL.41>

 

OS
梅田茂樹他『文科系のUNIX』(日本評論社)
文科系とあれば私にも理解できるというわけではない。UNIXは進化が速いので本が出たころには次の製品が出ている。LINUXやFreeBSDも同じ。
臼田昭司他『LinuxMLDIIで楽しむPC UNIX』(BNN)
臼田昭司『Linux MLDIII活用法』(CQ出版社)
今売られているのはLinux MLD4である。
PMC研究所『はじめてみようBTRON』(パーソナルメディア)
鹿嶋育朗『WindowsユーザーのためのB-right/V入門』(カットシステム)
今売られているのは「1B」と「超漢字2」だから同じことか。
臼田昭司他『Macでプレゼンテーション』(森北出版)
これも「Mac OS 8の最新機能を活用する!」という副題を付けられても。ワード・エクセル・クラリスワークスでプレゼンテーションをするときの参考になる。
戸川隼人『コンピュータ・リテラシfor Mac』(サイエンス社)
練習問題が付いているから、授業で活用して欲しいということなのだろうが。
宍倉幸則『なぜWindowsは今日も不安定か』(技術評論社)
同『同 解決編』(同)
「ウィンドウズを安定した状態で使うには、ウィンドウズを使用しないことだ」といくら正しい解決策を教えてもらっても。

文字コード
伊藤英俊『漢字文化とコンピュータ』(中公PC新書)
古いようだが、基本見通しは当たっている。
太田昌孝『今日本語が危ない』(丸山学芸図書)
文字コードはどうあるべきかを論じた本。危機感はよくわかるが、理科系の人の解説はなかなか理解しにくいという感想を持ってしまう。
川俣晶『パソコンにおける日本語処理/文字コードハンドブック』(技術評論社)
パソコンにおける日本語処理の歴史からプログラムをするときの注意点まで書かれているが、何か視点が定まらないような感じを受けた。
安岡孝一・安岡素子『文字コードの世界』(東京電機大学出版局)
学術資料としてはこれがいいと思う。ユニコードの漢字表に間違いがあることをよくぞ調べだしたものである。ただし、本の帯には「アジアの主要な文字コード」を収録と書いてあるのにタイとベトナムの例しかない。
加藤弘一『電脳社会の日本語』(文春新書)
文字コード論議の決定版が出てしまった。私が書きたかったことの九割五分まで私よりもはるかに正確に書かれてしまった。ただ技術の進歩の速さというは恐ろしいもので本書の記述も補訂が必要なところがいくつもある。こうなれば残り「五分の魂」にかけるか。
涌井良幸・涌井貞美『困ったときのパソコン文字解決字典』(誠文堂新光社)
論議よりも実践だという人はこれ。ちゃんと読めばマックユーザーに『今度ペン(企) パソコンを買う、とか(日)(月)(火)という箇条書きのメールを送ることがなくなる。

ソフト活用 エディター活用
原稿はエディターで書くという事は本当にパソコンを活用している人が皆言っている。
Nisus Writer(4.06,マック)
林ひろ子『Nisus Writer 入門』(BNN)
野沢直樹『パワーユーザーになりたい人のNisusWriter入門』(スパイク)
ナイサスライターはパワーユーザー御用達のエディターとして有名である。両書とも前のバージョンについての説明書だが、ナイサスライターの4はコンパクトと並んでフリーウェア化されたのでかえって役に立つとも言える。今さらもっと前のソロライター(フランス語の項目を見ればなんのことか分かります)を探す必要はない。
QX(ウィンドウズ)
たくきよしみつ『鉛筆代わりのパソコン術』(サイビズ)
鐸木能光『ワードを捨ててエディタを使おう』(SCC)
同一人物です。どちらもQXエディタの正規ライセンス付き。QXは本来シェアウェアなのだがこうなると解説書付きのフリーウェアと変わらない。私は特にQXが使いやすいとは思わないが、最近は原稿を書くのにはマックのエディターで満足しているのでそう感じるのかもしれない。ユニコードに対する考えは甘いが、ウィンドウズを(もちろんマックも) 盲目的に礼賛してはいない。

パソコンで文章を書く
エディターを使うのもワープロで書くのもまずは文章の書き方を学ばなければならない。
菅谷充『電脳文章作法』(小学館文庫)
すがやみつる作『ゲームセンターあらし』は私は読んでいない。
鐸木能光『インターネット時代の文章術』(SCC)
『ワードを捨てて・・』とほとんど同じ文章があるのは編集部の手抜きか。
松本侑子『作家になるパソコン術』(筑摩書房)
中身は表題と異なって「作家になった私のパソコン活用法」である。イラストのまんがのコマ割りの読解力がない年齢にとっては「オネーチャン、それは甘いぜ」と突っ込みたくなる箇所も多いが、奥様になった人にそういう言い方はやめておこう。今回登場した本の中で夏の暑い盛りでも読めるのはこの本ぐらいかも。当然P.59の「エントラゼ~」は 「エトランゼ~」
中野明『書くためのパソコン』(PHP新書)
表題どおりの内容。エディターだけでなくアウトラインプロセッサーの勧めも書いてある。
『アイデアツリーパソコン発想法』(SCC)
アウトラインプロセッサーとアイデアプロセッサーは違うらしいが、この本はソフト付きなので便利かも。
マックにはビジネス文書の書き方的なものを除いては適当なものが見つからなかったので
後藤ユタカ『電脳奥様』『電脳奥様2』(毎日コミュニケーションズ)
藤原鉄頭『マックな人、同2、同3、同4』(毎日コミュニケーションズ)のまんがをあげておく。これらも夏の疲れた頭向けかも。でもせっかくだから、
川村渇真『ワープロ文書キメ技講座』(日経BP社)
ウィンドウズの場合にも活用できる技が書いてある。
ワープロや表計算・データベース・業務ソフトの解説書はありすぎて紹介できない。というより賞味期限が短すぎてもう使えないものも多いのではなかろうか。
物理・化学・数学も大好きという人は講談社のブルーバックスや森北書店の出版物などなどから探してください。
『人文学と情報処理』(勉誠出版)と『トロンウェア』(パーソナルメディア)は有益な号 がたくさんあるのでいちいち挙げなかった。

さて文科系のためのパソコン入門書はいろいろあげたのに肝心の「仏教のためのパソコン入門書」がない。ぱんたかの『パソコン説法入門』は少し古い。これは仏教学者にも「TeXを使いこなしプログラムも書ける」という人から「いつまでたってもウィンドウズでの日本語入力のオンオフの仕方が覚えられない(最近やっとVjeでローマ字入力とかな入力が簡単に切り替えられることに気がついた)」私まで、レベルの差が大きすぎるせいもあるし、僧侶でもDOSやパソコン通信時代からばりばり活用していた人と、「iMacではゲームしかできない」と思っている兄弟を身近に持つ私まで落差がありすぎるためでもある。  しかしお寺がいつまでも「パソコンの何倍もする寺院用ソフト」を買わされることがないように月2回(以上)のアクセスをお願いいたします。
そのために私は仏教書も読まず買わず、夜も寝ながら昼寝しつつ、読みきれていないパソコン書と開封していないパソコンソフトの山に埋もれているのです(ってぜんぜん理由にならない)。
あっ。『寺院の現在』(北辰堂)がありました。再刷はされないかもしれないので、買っておいて下さい。
ついでに書くと朝日新聞社や岩波書店のものには特に取り上げるものは見当たらなかった。これは両者ともすぐ大上段に構えた議論をしがちなためか、小回りが利かなくなったのか。(あるいは両社とも「タミル語が日本語の源流説」によっているから「タミル語の呪い!?」か)。
パソコンなんて大上段に構えるほどのものではありません。使いたいように使いましょうや。

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