Enmeiji延命寺

延命寺 寺とパソコン

 

title 寺とパソコン

<VOL.59>

 

IT講習で(多分)教えてくれないこと


もうIT講習会が各地で始まっていて、申し込みが殺到して受付の電話回線がパンクしたというITらしくない話まである。しかし受講すれば誰でもパソコンを使いこなせるようになる、などというほど甘くはない(多分)。使う目的は人さまざまだが、「みんながやっているから」というだけではメーカーの在庫処分に協力するだけである。しかもパソコンは 補修部品も対応機器もすぐに無くなる。いくら高価なものを買っても長く使い続けられるというものではない。

自分に合ったものを選ぶ
まず大事なのは、人と同じパソコンではなく自分に使いやすいパソコンを使うこと。パソコンはいろいろなことが出来るが、天から二物も三物も与えられた人は多くない。「ソフトがたくさんついていたが、結局ワープロしか使っていない」とか、「使いやすかったソフトがアップグレードとともに機能が豊富になってどんどん使いにくくなった」などということは珍しくない。自分がやりたいこと、やらねばならないことをするには何がいいのかということで選びたい。事務処理をするのにふさわしいパソコンで「ビデオ録画が出来ない」などと文句を言っても始まらない。

新しいものがいいとは限らない
パソコンはある意味では「永遠の未完成品」である。まだ機械としては使えるパソコンがソフトが対応しなくなったので使えなくなることは寂しいものである。そして新製品がいいとは限らない。購入者には便利なサービスを提供するということでヒットしているあるワープロソフトを購入したが、出来るだけ遅く購入したのにその後にアップデータ(不具合を修正するデータ)が出たというお知らせが届いた。ダウンロードしようかと試してみると必要予想時間が38時間と出た。
データはテキストで何度も書いたことだが、少しでも長く活用するには、データはテキスト形式で保存すること。テキスト形式の原稿が読み出せない製品が出ることは考えられない。  
 

原稿はエディターで作ること
テキスト形式で保存するには原稿はテキストエディターで作るほうが早い。レイアウトを考えるのは後でいいのである。ところが「特定のソフトで作ったデータで送れ」という指示を出す人がいたりする。あらかじめレイアウトした文書を集めて各自のレイアウトのままでまとめるのだろうか。そんなことなら「手書きの原稿」をFAXで送ってもらったほうがいい

保存はテキスト形式と紙で
先日、ワープロが壊れたのでパソコンに挑戦したいという人に型落ちパソコンを紹介したが、今まではフロッピーがいっぱいになるといらないものを削除していた、ということだった。ワープロ・パソコンのよいところは「データの使い回し」なのだから、保存して再活用しなければ意味がない。試しにテキスト形式の原稿と特定のソフトでレイアウトをしたデータを比べてみたら容量に5倍以上の差があった。

メールソフトは自分で選ぶ
いつもは広告主に遠慮してあまりはっきり書かないパソコン誌もあまりのウイルスの多さからか、メールソフトは最初からパソコンに入っているものではなく、自分でいいものを探そう、と書くようになった。一般にこの会社の製品は機能は豊富だが、独自の拡張を加えていて互換性に問題があると言われている。互換性がなくても安全性が高いのならいいが、そうではないのだから、自分で使いやすいものを探したほうがいいのである。
 

とにかくお仕着せのままで使うのではなく、自分仕様を作り上げるのがパソコン活用のキモである。残念ながらいくつかのIT講習会用テキストと銘打つ本は「パソコンの在庫処分」に協力するものでしかない。

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