延命寺 寺とパソコン
<VOL.61>
貧しいIT
「ただではもうからない」 「貸し手も借り手も損」 「ホームページと商売繁盛」
「うまくて遅い」か「それなりで早い」か 「活用してもらうためには」 「お寺のIT」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ITバブルがはじけた、という話は今更珍しいことではない、というより「トレンドはIT貧乏」と言ってもいいかもしれない。
企業も貧しくなるし、利用者も貧しくなるのが今のITである。
無料パソコンはかなり早くから左前になった(残っているものはあることはある)が、今は無料プロバイダーも撤退や縮小が続いている。広告で収益を上げようにも広告がじゃんじゃん入ってくる時代はとっくに終わっている。薄利多売を狙おうにも同じような企画はいくつもあって、薄利少売になっているところが多いと思われる。A社のサービスで紹介されていたB社のサービスに登録すると、しばらくしてB社からA社のサービスを紹介するメールが届いた。小さなパイをみんなで分けているだけである。
無料プロバイダーが立ち行かなくなるのは通信基盤を借りているからである。只では貸してもらえない。借り賃より広告収入が少なければどうなるかは言われなくても分かる。
では貸していれば安泰かというとそうとも言えない。ライバルがいるのである。維持補修にも経費がかかる。ライバルより安く、そして維持管理の経費よりは高く貸し賃を設定するのはなかなか難しい。
救いとしては「安さより品質」を求める人も多いことか。
ホームページを作れば商売繁盛、というわけでもない。そして「ホームページがなくても商売繁盛」ともいかない。電話で問い合わせても「ただいま担当者が席を外しています。」というだけでお客は逃げていく。電話もFAXもホームページも最低限必要なことになっている。いくら立派なホームページがあっても更新が遅いと問い合わせた段階で売り切れていたりする。私は最近はメルマガでお得商品を知らせてくれたところにばかりアクセスするようになった。
いくらトップページに力を入れても表示に時間のかかるページはよほどいい情報でもないと二度と訪れはしない。メールでおいしい情報を知らせてもらってもトップページが表示されるのに何分もかかってはアクセスする気が失せる。「常時接続に変わったらダウンロードに時間がかかったほうが得をしたような錯覚を覚える」などと書いた人があったが、私はどの常時接続の予定にも入らないところにいるのでそんな気持ちを持つことはない
。
私自身が「特価」とか「先着何名・・」というものに見事に引っ掛かり続けているのでIT貧乏の見本ではあるが、これは「他山の石」である。発信よりは受信する者の方がまだ多いと思うが、受信してもらう(引っ掛かってもらう)にはそれなりの工夫が必要である。
ITといえば儲かるなんてことは誰も言っていないし、FAXを入れれば商売繁盛、などということもなかったはずだ。
さて、お寺のITは何を目指すべきなのだろうか。
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・「新年の希望」
・メールの賀状
・頑張らないパソコン入門
・老後はパソコン
・「買い」か「待ち」か超漢字3
・家電としてのパソコン
・アップル 1周遅れのトップランナー
・プライバシーは数千円
・パソコンの明治時代
・IT講習で(多分)教えてくれないこと
・がっかりLモード
・貧しいIT
・B(ukkyo)TRONを使おう
・コンピューターで仏教学
・鉄の鎖か金の鎖か
・喜捨か会費か
・非公正に怒れ
・ネット利用の仏教学研究
・遅い・高い・マズイ ISDN
・「ワープロは?」「富士通です。」
・メモ・メモ・メモ・メモ でも忘れ
・「簡単」が勝ち(除くパソコン)
・独占は衰退を招く そして
・ITは効率を落とす