Enmeiji延命寺

延命寺 寺とパソコン

 

title 寺とパソコン

<VOL.56>

 

アップル 1周遅れのトップランナー


マックOSXが発売されたが、瞬間風速的には売れてもそれによってマックの売れ行きが 伸びるとは考えられない。なぜならパソコンを買うものはOSを買うのではなく、パソコン本体を買うからである。そんなことは当たり前だと言われそうだが、マックを見たことの 無い者がマックを選ぶとは思えない。
パソコンを買うときにまず聞くのは「これでワープロやインターネットが出来ますか」ということであって、最初のパソコンを買うときに「これでビデオ編集が出来ますか」などと聞く者はいない(多分)。

実は売れ行きが落ちているのはマックだけではなく、パソコン全体の伸びも落ちてきている。中には不良品率の高さから息切れが予測されているメーカーもある。ただしウィンドウズに関してはIT講習会という強い救済策が現れた。まず買うのは「どこでも買えるし、どこでも学べる」パソコンである。

それはともかくアップルの苦境はジョブスが「自分の欲しいマシン」を作ったという点にこそある。iMacもG4Cubeも一体型パソコン、液晶デスクトップという考え自体は特に目新しいことではなかった。1周遅れでありながら一挙にトップにでてしまう製品が毎回出てくるわけではない。しかもアメリカと日本では求められるパソコンが違うということになかなか気がつかない。パソコンを車で持ち運ぶ大柄のアメリカ人と通勤電車で狭い我が家から会社にパソコンを運ぶ日本とでは別のものを出さなければいけない。日本ではパソコンで何万もの漢字が利用できるようになっているのに「マックOSXでは一万七千もの文字が・・」などと何周遅れか分からないことまで自慢し始める。クリエイティブな高性能のソフトを無料で提供するのでマック用ソフトがますます売れなくなる。在庫がたまったり新製品が予定されているときは処分価格で売り出されるので私には有難いが、厳しく言うと最初からその価格の方が適正だったということだ。いくら新製品がヒットしても例のごとく供給できる品数が少なければ儲けにはつながらない。  
もうこのあたりで販売戦略を改める必要が有るのは間違いない。まず日本では日本向きの品を売ること。大きさ、使える漢字の数等々。そしてもっとどこでも買えるようにすること。取り寄せでも良いからもっと多くの目に触れるようにしなければならない。

日本で売るべきなのは「ジョブズの欲しいパソコン」ではなく「日本で求められているパソコン」である。

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アップル 1周遅れのトップランナー
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