Enmeiji延命寺

延命寺 寺とパソコン

 

title 寺とパソコン

<VOL.55>

 

家電としてのパソコン


最近はコンピューターの家電化ということが一つの目標になっている。ここでもキーワ ードはインターネット。私は冷蔵庫とインターネットがつながってどんな利点があるのか全く理解できないが、例えば冷蔵庫の中身が少なくなったりすると自動的にインターネッ トで注文を出したりする、というようなイメージらしい。 私がそのような機能に懐疑的なのは入力と嗜好の問題があるからである。例えば冷蔵庫の中の賞味期限切れの品物が分かったら便利だとしても、どのようにして賞味期限を入力するのか、とか賞味期限が間違っていたらどうするのか、とかいくらでもけちをつけたくなる。現代は多少の金がかかっても手間が省けるほうを喜ぶ人の方が多い。便利にするのに手間がかかるのでは誰が利用するだろうか。パソコンが有利なのは一度入力してしまえば長く利用できるからであって、すぐ役に立たなくなることは入力がよほど簡単でないと利用されないであろう。 そして困るのは人間の嗜好はしばしば変わるということである。毎朝卵焼きを食べないと一日が始まらないと思っていても、何かの拍子に「いや、絶対に朝はコーヒーだけでいい。」などと言い出すかもしれない。今までのデータはすぐに役に立たなくなるのである。もう欲しくもない品が品切れになると自動的に注文されてしまうのでは困るのである。 パソコンの家電化ということには別の問題もある。家電製品でスイッチを切る前に「ソフトを終了させる」などというものはない。ラジオの音量をゼロにする前にスイッチを切ると壊れる、などという製品は誰も買わないであろう。いつでもスイッチの切れるパソコンは開発されるのだろうか(PDAでは途中で電源を切ってもかまわないものはある)。 それにもかかわらずパソコンの家電化で成功した点は「アップグレードは無駄」という点であろう。「冷蔵庫が故障したから修理する」ということはあっても、「新しいビデオでは5倍録画が出来るそうだから、このビデオも5倍録画が出来るようにアップグレードをして」などとは誰も考えない。パソコンのアップグレードサービスをよく見てみると、結局かなりの部分を入れ替えている。つまりはその製品で出来るだけのことをやり、新しいことは新しい製品を購入するほうがいいという意味では家電化に成功している。 パソコンはまだ使い捨て時代の家電である。

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