Enmeiji延命寺

延命寺 寺とパソコン

 

title 寺とパソコン

<VOL.43>

 

寺報を作ろう

 あまりに脱力記事ばかりだと、寺報作りには役立たないので、もう少し細かい設定をする場合にはどのようにすればいいのかということを練習してみます。
 使ってみるソフトはウィンドウズでは「パーソナル編集長」(バックス)、マックでは「ページメーカー」。ページメーカーはウィンドウズ版もありますが、『Widows DTP with Acrobat』(きんのくわがた社)のページメーカーの項を見るとフォントなどに少し不安定さがあるようです。ではなぜマックではこれを使うかというと、「他にお手ごろ価格のDTPソフトがない」ということに尽きます。インストールの時にPostscriptプリンターを使わないという設定にすることを忘れずに。
 もちろん、一太郎やワード・オアシス、イージーワードその他のワープロでレイアウトをしてもかまいません。

 例のごとく原稿はエディターで。

「声名寺だより」

 住職の独り言

「葬儀は喪主に任せて」
 「自分の葬儀はこういうふうにやって欲しい」というのは新聞などの投書欄の定番ですが、ちょっと待ってください。あなたはその時生きているのですか。棺桶の中からあれこれ指図をしてみますか。そんな馬鹿なと言われても、自分の葬儀のやり方を決めるなんてそういうことなのですよ。
 立場を変えてあなたが喪主になったときのことを考えてみてください。職場の関係者や知人に会葬をことわることが出来ますか。「故人の遺言で」会葬をことわった知人が喪主になったときはお悔やみに行きますか、行きませんか。「故人の遺言などなかったほうが良かった」という思いがわかないでしょうか。
 人が死んだときは遺体処理の方法からいろんな届けまで、するべきことが山のように押し寄せてきます。家族の死という悲嘆にくれている暇もなく、です。近親者だけですべて出来ますか。
 もちろん今の葬儀のあり方が、すべて良いわけではありません。遺族関係者は自分たちの食事も作ってはいけないという地域もありますし、葬儀社のための葬儀になってしまう場合もあるかと思います。改善すべきことは多々ありますが、それはあなたが棺桶の中から指図をすることではありません。
 言えるのは「私の希望はこうだけれども、喪主としての立場もあるだろうから、その時出来るようにしてくれればいいよ。」というところまでではないでしょうか。

 自分並か世間並みか
 パソコンの連載をしていて何ですが、「パソコンなんて、必要な人が使えば十分」ですよ。英語もそうですが、「私は・・が使えなくて苦労したから、せめて子供たちには」という親心が間違いの元です。必要な人は泣きながらでも習得するし、必要のない人は他に必要なことをやればいいのです。
「これからはインターネットだ。」
ウソウソ。
「これからはケータイだ。」というほうが正しいでしょう。
 私は文字放送の降雨予測図を時々利用しますが、今文字放送受信機はどこで売っているのでしょうか。
 データ保存はCD-RかDVDか。
ウソウソ。
 物として残っても、データ読み出しのためのソフトはいつまで寿命があるでしょうか。
データ変換ソフトでも読み出しが出来ないワープロ専用機のデータがもういくつもあるのですよ。
 やっぱり紙にはかないません。
 がり版は東南アジアで現役ですが、あの青焼きコピー機は粗大ごみに出せばいいのだろうか。
 英語に戻ると、どの英語を学ばせるのでしょうか。オーストラリア英語かピジンイングリッシュか。はたまた、インド英語か。
 御近所にカナダ人がいればカナダ英語(かフランス語)、ブラジル人がいればブラジル語、韓国の人が多ければハングル。必要な言葉を学べばいいのです。
 自分に必要なことをやりましょうや。

 今月の逆説。
「もし、明日も生きているとしたら、あなたは何をしますか」
「今日の失敗、明日もまた」
「忘れるってことは、それがあなたには重要ではなかったということ」

 イカン。やっぱり脱力モードから抜け出せない。

 お話 昔も今も

 昔々のついこの前、あるところにいつもエラソーな事を言っている和尚さんがいました。このままではみんなの嫌われ者になってしまうと心配した仏様が、和尚さんが命より全然大切にしていない「たいした原稿も入っていないフロッピー」を隠してしまわれました。慌てた和尚さんはフロッピーの山を崩したり、せっかくしまったソフトの箱をまた開けてみたり、一生懸命さがしましたが、どうしても見つかりません。「これは正直に話しておわびするしかないな。どうせたいしたことも書いていないし、一回ぐらい穴を開けても・・・。」「いやいや、それではせっかく電話代を使ってアクセスしてくださる皆さまに申し訳ない。何とかかわりの原稿を書き上げなくては。」
 そこで和尚さんは、あくまでも冷静さをよそおって臨時の原稿を書き上げたのでした。
 「せっかくだから、レイアウトもやってみて、添付ファイルでまず自分宛に送ってみて・・と。」
 GIFファイルを圧縮してみたり、マックで送ってウィンドウズで添付ファイルが読めるかどうか、初心者丸出しのことをやっていたなどということはあくまでも秘密にしたままで。
 「なんとかいけるみたいだぞ。さあこれでやっとお盆行事の連絡作りにかかることが出来るか。」
 そしてノートパソコンの上に置いていた本を片づけた和尚さんは本の下になっていた例のフロッピーを見つけだしたのでした。

 めでた・・・くなんかないぞー。

 さて和尚さんはこれからは原稿はフロッピーとハードディスクの両方に保存しておくようにするのでしょうか。フロッピーがどこかに行ってしまっても、(例えば)iMacがどこに行ったか分からない、なんて広いお寺ではないようですが。
 

 パーソナル編集長の操作もページメーカーの使い方もマニュアルや参考書で勉強してください。 

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