延命寺 寺とパソコン
<VOL.35>
先端技術の落し穴
実家に寄ったときにインターネットに接続しようとあれこれ苦労してもうまく行かないので、サポートに「ホームテレホンの子機からインターネットに接続するにはどうすればよいのか」聞いてみると、「原則としてホームテレホンからはインターネットに接続できません。」という答だった。回線の仕様が違うらしい。 切り替えか並べ換えか ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
今話題のADSLによる常時接続もISDNとは両立しない。その時の最先端技術がかえって新しい技術の導入を阻んでしまうのだ。こうなるとADSLもかえって・・と考えてしまう。
パソコンが当分の間はますます使いにくくなるだろうということは書いたが、我々にとっては文字コードの問題が大きい。ちょっと専門的なので正しく説明できる自信はないが、これもその時に一番便利な方法がかえって行き止まりをもたらす例である。
コンピューターで英語のアルファベットを使うのにそれほど難しい問題はない。ドイツ語やフランス語も扱うとなると少し難しくなる。漢字を扱うのはかなり難しい。
この問題の解決には二つの大きな流れがある。
一つは「切り替える」やり方。言語や文字が変わるときに切り替える命令(正確にはエスケープシーケンスコード)を入れて、ここからフランス語、ここから第一水準の漢字、ここから・・・というやり方(正確には文字コードを切り替える)。この方法の利点はほぼ無限大の文字が使える点。仮に「あ」に「濁点」を付けるような「まんが文字コード」なるものを作れば「ここからまんが文字」という切り替え命令を入れて利用することが出来る。欠点は何かの事情で切り替え命令が伝わらなかったときに今どの文字コードを使っているのかコンピューターに分からなくなること(実際にはそういう場合のエラーを防ぐ仕組みがある)。
もう一つは「並べ換える」やり方。文字に使える領域に文字を重ならないように当てはめるやり方。この方法の利点は文字コードの切り替え命令が要らないから設計が簡単にできること。欠点は空き領域が無くなれば文字の追加が出来ない点。多くのパソコンで使われているシフトJISコードというのはこちらの方法をとっていたので第二水準までの文字にないものを利用するには大きな苦労を強いられたのだ。そして最近普及し始めたユニコドもこちらのやり方である。文字領域が限られているので日中韓の字体が異なる漢字にも同じ文字番号を付けた。もう行き詰まることが見えている。そこでこれに切り替え命令を付け加えて今の規格の何倍もの文字を使えるようにするらしい。
なんだやっぱり切り替えか、というのが私の感想である。それなら最初から日中韓では漢字を切り替えるようにしておけばよかったのに、というのが正直なところである。
「超漢字」は「切り替える」やり方の方なので、誰かが「まんが文字コード」を作れば(それが受け入れられれば)「超漢字」で「まんが文字」が使えるようになる。
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