Enmeiji延命寺

延命寺 寺とパソコン

 

title 寺とパソコン

<VOL.34>

 

パソコンに家計簿は似合わない

寺院向けソフトでも家計簿機能を付けているものがあるが私は家計簿はパソコンで付けるものではないと思っている。一つは項目の分類。今は主食と副食を分けるのか分けないのか知らないが、「ラーメンライスは主食か副食か」、「さばとカレイはわけて記入しなければならないのか」、「スーパーでも売っているフロッピーは事務費か、趣味のパソコンゲームで使うから娯楽費か」などなどいくらでもいちゃもんを付けたくなる。もちろんこれらはレシートの品名を打ち込めば自動的に分類してくれるソフトがある。しかし家庭でこれだけ細かく分類する必要があるのかという疑問は解消しない。

そして最大の問題は「データの使い回しが出来るのか」ということ。寺院にパソコンが必須になるというのはお寺では毎年の行事や連絡することの繰り返しが多いからである。一度データを入れておけば日付や宛先を変えれば何回でも利用できるということは以前に言った。家計の支出のデータで来年も役立つものがどれだけあるだろうか。「今年は家族中で風邪の回しあいをしたから、来年の医療費の見積もりを」というぐらいはまだいい。「今年は一人っ子の長女の受験で多額の出費がかかったから来年も受験費の確保を」なんて計画は立てる必要はない。「今年は親戚の不幸があったから来年はそろそろあのお宅のことも考えて」しまうと仲たがいが始まりかねない。
要するに自営業などで家計支出の割合もきちんとデータがいるところなどを除けばおおまかな支出傾向をつかんでおくことと不意の時に使えるお金の準備をしておくことで十分である。必要なのは家計簿ソフトではなくレシートを貼り付けておけて二三行の日記も書き込める紙の家計簿の方である。 

 

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