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延命寺 寺とパソコン

 

title 寺とパソコン

<VOL.25>

 

ビートロンで般若心経

般若心経三部作、いよいよ最終回。
少し前までは「知る人ぞ知る」という位置づけのビートロンでしたが、「超漢字」(この名前は何とかならなかったのでしょうか)の発売によって大ヒットする予感を抱かせます。13万文字が使えると聞いても「般若心経など書けなくても不自由ない」と言っていた某河野氏はオリッサ語やマラヤーラム語等々も書けると知った途端、ころっとトロン派になりました。すなおなDOS/V機なら使えると思いますが、パーソナルメディア社のホームページ(http://www.personal-media.co.jp)に作動判定ツールがありますからダウンロードして確かめておいたほうが良いでしょう。フロンティア神代秋葉店からは作動確認済のパソコンも売りだされています。
インド系文字は「超漢字」やユニコード対応ワープロで何とかなりますが、ユニコードでは漢字が十分には使えません。ビートロンの前バージョンのB-right/Vでも日中韓の漢字を混在させることや北欧の特殊ローマ字も使えました。補助漢字が使えればかなりの仏教語が書けます。補助漢字の辞書は「一太郎で般若心経」にあげておきました。般若心経なんてたやすいものです。
具体的には般若心経はビートロンでどう書くのかと言われても、簡単すぎて説明が難しい。原稿用紙を広げて漢字を打ち込むだけです。「かんじざいぼさつ・・」と書いて変換キーを押す、なんて事しか書きようがない。ただし単語登録はしておいた方がいいでしょう。多分「じん」と打っても「深」とは出ないでしょう。多少の問題は漢字を仏教語読みにするとすぐには出てこない場合があることぐらいです(縦書きの問題もあるけれど)。
補助漢字が混ざった単語も登録できるところが便利なところ。文章の前後の入れ替えが「カットアンドペースト」ではなくて、「ドラッグアンドドロップ」で出来るところやクリップボードにあたるもの(トレイ)が10も有るので二つ三つ前のデータも再利用できることなど便利な機能は他にもたくさんあります。
般若心経だけならば一太郎で何とかなります(縦書きも大丈夫です)が、他の教典やインド系文字の混ざった文章になるとビートロン(の「超漢字」)を使わないわけにはいかなくなるでしょう。
パソコンで漢字が使えるということや文字コードの考え方などは後日をお楽しみに。

会長コメント
坂村健先生って、きっととっても偉い人だと思うんですけれど、トロンってとってもマイナーな世界だと思ってました。また、写経は苦手なので、パソコンで般若心経を写経しようとまでは、思いませんでしたが。
が、十三万字を使えるという「超漢字」は、梵字はもちろんのこと(ウィンドウズ用の難漢字ソフト「今昔文字鏡」でも採用になってます)、インド各州の文字が皆あるじゃないですか。
昔、よくインドに行ってた頃は、バスに乗ったりする必要があるので、字だけはナーガリは勿論のこと、タミル語もマラヤーラム語も読めました。マラヤーラム文字ってとても、可愛いんですよ。オリッサ州の字も愛嬌があって大好きです。
便箋に、図柄としてインド文字を用いると、インド人もびっくりでとてもいいんじゃないかと思いました。お正月の暇つぶしにトロンをインストールしてみよう!こうなったら、「仏青トロン化計画」を推進して、仏青の研修会で坂村先生に来てもらおうか?
さて、人名や地名には日本で作った字が多いので、諸橋の大漢和にも載っていない字がたくさんあります。戒名のデータをパソコンで作ろうとしてもふつうは無理です。もっとも、諸橋は中国の文献を読むための辞書ですから、日本製の字には責任を持ってません。「今昔文字鏡」のプロジェクトでは、中国以外の漢字も少しずつ拾い上げているそうです。
だからといって、トロンを使って戒名のデータベースを作ろうなんて面倒くさいことは、絶対思いませんけれど。
トロンって、インド文字も結局はコードから入力するほかないので、実用的なようで非実用的?未来を先取りしすぎているのでしょうか。

 

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