Enmeiji延命寺

延命寺 寺とパソコン

 

title 寺とパソコン

<VOL.9>

 

JISは工業規格・お説教好きの漢字辞書『JIS漢字字典』

そもそもJISというのは「日本工業規格」つまり産業のための規格だった。コンピュータを使う場合に、漢字にどういう番号を振るかという問題がしばしば迷走するのは、どの漢字が使いたいかは人によって異なる事による。JISでまず決めたのは「現在」「一般に使用する」ものを第一水準、そして使用頻度はやや少ないが「現在」必要とされる第二水準というふうに決められたらしい。つまり一般事務にはまずまず使える、というあたりでとどまっている。『JIS漢字字典』(日本規格協会)はバカに説教好きな辞書だがJISで漢和字典にない字が採用されているのは「人名・地名の国字」を採用したからだと説明している(難読の人名地名を読み書きするにはこの字典は便利である)。  
せめて『般若心経』くらいは「現在、日常的に」使いたい、というのは私たちの職業(寺院住職)上の要請に過ぎないから無視するとしても、「草で始まるあるタレントの姓」は「現在、日常的に」使う漢字ではないと決めつけるわけにはいかない(地名の「クサナギ」は「草薙」である。念のため)。  
序文に「涅槃などの熟語以外では使われない漢字」の典拠(つまり「涅」と「槃」それぞれの意味)が明らかにできなかったと書いてあるのには唖然とした。JISでは第三水準・第四水準の漢字規格を提案しているらしいが「涅槃」が音写語であることを知らない人達が今度はどのような基準で漢字を採用するのだろうか。補助漢字には典拠が明らかでない字も採用されているとして無視しているが、文化遺産をデータ化するには第四水準までではとても足りないということは明らかであるし、中国でどの地名人名がニュースに登場するようになるかは予測ができない。決めるなら文字をどのように追加していくかという法則を決めるべきであった。

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