延命寺 寺とパソコン
<VOL.13>
万能ソフトはない
パソコンを選ぶ時はみんなが使っているからなどという観点で選ぶべきではない。大事なのは寺で使えるか、自分が使いこなせるか、である。その点では寺の仕事が過不足なくできるパソコンソフトはない。だからマックかウィンドウズかではなく、「マックもウィンドウズも(そしてビートロンも)」ということになる。寺の仕事を抜きにすればどのパソコンソフトでも程々に役に立つ(OS/2でもMSXでもタウンズでも)。が、ここは「寺の実務に役立つ」という釘を差されているのできちんと読んで欲しい。
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まずマックとウィンドウズに共通する欠点はメモリー管理が下手なこと。かなり不正確なたとえになるが、たとえばメモリーが1~10まであるとしよう。あるソフトを起動させてメモリーの1から4まで使い、次のソフトが5から8まで使っているときに三番目のソフトにメモリーを4与えるために最初のソフトを終了させてもメモリー不足という警告が出る。なぜか。空きメモリーは続いていないと使えない。再起動させて二番目と三番目のソフトを使うというのが正解。もちろんメモリーの空きを配置換えして続けるソフトはあるが基本的には再起動。私の前のデスクトップのように起動させると「Emi
Clock」と「ArtClock」と「うさうさ時計」が現れるようなのは論外(ほんとはもう一つ時計が出る)。
マックの欠点はウィンドウを閉じてもソフトは待機しているだけで終了はしていない。OS8まではそれが分かりにくかった。画面の右上にマウスを持っていってクリックすれば分かるが、そんなことをいちいちやっておれない。
ウィンドウズの欠点はソフトの削除が難しいこと。「そんな馬鹿な。ウィンドウズ95からはアプリケーションの追加と削除で安全に削除できる。」という人は試しに「G.Crew」(メッツ)と「パーソナル編集長」(バックス)を組み込んで「G.Crew」を削除してみて欲しい。なぜか「パーソナル編集長」が削除される。代わりに削除されてあげる偉大な菩薩行かな。もっと一般的にはdllファイルとレジストりーの問題。ソフトを削除してもdllファイルは他のソフトが使用しているかもしれないから原則削除しない方がよい。そしてソフトが削除されて無いという情報が残ったままになる。「空」という情報は「有」なのだ。菩薩行を行ったり「真空妙有」を教えてくれたり、やっぱりウィンドウズって仏教向きなのかな。
また、せっかく般若心経を漢字で書くことの出来るビートロンも縦書きが出来ない。横書きの般若心経なんて縦書きのデーバナーガリーよりはましという程度。
もちろん苦手を軽減するソフトもあるし、どれか一つだけで悪戦苦闘するのもかまわない(たとえば般若心経を般波・・・観と書けばいい)が、三つそろえた方が何かと便利。自分が使いやすいもので、八割か九割の仕事をして、苦手な事は他のソフトでやればよい。
今回は基本ソフトの例だが、アプリケーションソフトの場合も同じである。さて、「難しい議論は飽きた。早く実務編に入れ」というあなた。「三日であきらめるウィンドウズ入門」がいいか、「七日で覚えるマックの基本」がいいか、「般若心経が漢字で書きたーーい」がいいか、要望も筆者へのおしかりもinfo@syomyo.or.jpまで。
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