延命寺 寺とパソコン
<VOL.2>
お寺にパソコンはいるか
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パソコンブームは終わったが、今度はいやでもパソコンを使わなければならない時代がくる。もちろんパソコンが使えなくても人格的に劣っている訳ではないのは、留守番電話やビデオのセットができなくても人間として劣る訳でないのと同様である。ただお寺にはコピー機やFAXが必要になるというのと同じ意味でパソコンが必要になるというのである。寺院で活用したい人は『寺院の現在』(北辰堂)の中の拙稿や諸氏の論考を参考にして欲しい。この本にはパソコンに限らず寺院運営上の参考になる論考が多い。しかし、現在のパソコンをまとめて言うと「過剰性能低機能」ということになる。ゲームなどに関してはそこまでできなくてもと思うくらいの性能がありながら漢字に関しては般若心経すらまともに書けない。
仏教文を書くのでなければ印刷用紙の大きさを先に決めてから文字を打ちこめばよいマックのほうがはるかに便利である。縦書き何字何行という原稿を書くときはウィンドウズ対応ソフトのほうが種類が多い。寺院にはどうしても二台必要になる(できれば据え置き型とノート型それぞれ一台ずつ、つまり四台欲しい)。
さて、パソコンの得意なことはデータの使い回し。住所録などを一度打ちこめば時々修正するだけで長く使える。毎年のお知らせも日時を変更するだけで何回も使える。苦手なのは新しいことをすること。パソコンに向かえば新しいアイデアが次々にうかんでくる、ということは決してない。法話集を出版するときにデータを入れてあれば多少の修正を加えればまとめるのも早い。しかし新しい法話をするときに、まずパソコンに向かっても何も始まらない。思いついたことはパソコンのスイッチを入れて書き込むよりも手近なメモ用紙に書いたほうが早い。パソコンを買っただけではどうにもならない。
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・VOL.1
・お寺にパソコンはいるか
・マックから始めよう
・藁をつかんだ日本企業
・迷った時はiMac
・パソコンの不幸な逆説
・ノートパソコン不用の時代へ
・『般若心経』と「SMAP」と
・JISは工業規格
・補助漢字を使うには
・お勧めパソコン誌
・紙とテキスト
・万能ソフトはない
・保存したら消えた?