Enmeiji延命寺

延命寺 本太風土記

 

本太風土記

<変人の時代>

Vol.11

 

先頃、小泉純一郎氏が首相に選ばれました。その政治理念や手腕については未知数ですが、変人と呼ばれる人が永田町の常識を打ち破ったことを、変人仲間としては喜びたいと思います。
ところで、小泉さんはしばしばクラシックのコンサートに出掛ける趣味人だそうですが、政争に明け暮れする代議士先生の方が変わっていて、気軽に電車に乗る小泉さんの感覚の方がフツーなのでは? 
あまり、政治的なことに首をつっこむ気はないのですが、未だに、「アメリカはIT革命で生産効率を上げた」なんて、反省もしないでいっている慶応の先生に、経済の舵取りは任せられないと思いますが。
「ITで景気がよくなる」なんて戯言をいってた人は、総懺悔で謹慎すべき?なんですがね。大事なのは製造業、第一次産業で、右から左へお金を転がし、楽して儲けようというエコノミストの感覚はズレてます。え、そんなこと坊主にいわれたくないって?
yahoo.co.jp学者は、過去の出来事を分析する事ができても、未来の予測や現実の運営はできません。
いわゆるIT革命は、何年も前のアメリカの政策で、たまたま?成功しましたが、今そのまま、日本に当てはめることはできません。本家のYahoo!やamazonがピンチですから、二、三年前の図式は全く通用しません。
IT産業自体が、もはや低調で広告の出稿を控えていますし、バナー広告をクリックする人は1パーセント以下で、効果がないことが分かりました。
マイクロソフトのように独占しちゃえばうまくいく。ナンバーワンがオンリーワンとして生き残るから、先行投資して市場を独占しちゃえというやり方はどうなんでしょう。
確かに、マイクロソフトはインターネット・エクスプローラを無料配布して、ネットスケープを駆逐しました。いつの間にか、パソコン・プレインストールは、一太郎・ロータスからワード・エクセルになってしまいました。
amazon.comamazonは、そのつもりでどんどん手を広げて、投資家から資金を集めましたが、家具まで扱うようになって、一体いつから黒字になるのか、いや、今年中に倒産するのではないかなどといわれるくらいです。
でも、CDや本を探すのにホームページを見ると非常によくできているので感心します。世界一よくできているといいたくなるくらいです。何十秒か、視聴できる曲が非常に多い。日本で入手困難なものが簡単に手に入る。
十日くらいで送ってきますし、ものにもよりますが、航空便代込みで、二枚で国内版ととんとん、三枚以上一緒にパックしてもらえば、国内版より安いです。本を頼むとさすがに航空便代が高いものの、レートは安いですから、これじゃ丸善もつぶれそうになるわけだ。
何より助かるのは、多少、スペルを間違えたり、曖昧な検索をかけてもちゃんと出てくるということです。日本ではHMVのホームページでCDを探すこともできますが、この検索システムの出来は五段階評価の最低ランクですね。
これではamazonが世界中の音楽ファンから注文を集めてしまいます。国内メーカー危うしです。と思うのに、いつまでたっても黒字にならない。家具のようにスペースを必要とするものを即配達できる体制にするのは無謀ですよね。
注文してみると分かりますが、うるさいくらいにメールで、受注したとか、集まったので出荷するという返事が返ってくる。さらに、このCDをお買い求めのお客さんはこのCDも買って喜んでますよ、日本のamazonも使ってねと催促のメールが来る。
きっと、昔の光通信のように?モーレツに社員のお尻を引っぱたいて働かせているんですよ。大変な、マンパワーを動員していると思います。
いやー、ところで光通信が落ちぶれてホントに助かった。この何年かというもの、毎月、光通信からIDSNに変えなさい、夜間工事のお知らせですとかの迷惑電話を受けていましたから。時代は次のADSLに、さらに、光ファイバーにとどんどん変わってゆきます。
ところで変人の時代という話でしたね。どうも、日本人というのは談合体質で、横並びが好きです。学校教育というのも、サラリーマン向きの?均一な品質を作り出すのを目標にしているかのようで、異分子を排除します。
また、今度の文部省の指導要領では、低い方にそろえようとしています。こんなことが密室で議論されていて、結論だけポンと出されるのは非常におかしな事だと思います。
誰がどういう訳でこういう指針を示すのかが、全然見えない。何でそれを隠す必要があるのかが、分からない。自民党より、よっぽどファッショです。外務省だけじゃないですよ、俺たち専門家に任せればいいから素人は黙っていろという態度は。
さっきの話じゃないけれど、学者、専門家、政治家は偏っていて、一般人の感覚の方が正しいことが多いのでは。
それはともかく、ここでいいたいことはですね、人には個性があるということです。人間というのは、もともとバラツキがあって、効率の悪い生き物ですから。
21世紀は変人の時代。時流に流されないで、自分の生きる道を探しましょう。一億総サラリーマンの時代は終わりました。
農業大学での研究話は変わるようですが、大学が独立法人化したら、例えば、農業大学は農業をやりたい人を傘下の農業高校に集められる。今は、進学のために、農業をやりたくてもわざわざ普通高校に寄り道をしてから農業大学を受けないといけないそうです。
人間を均質なものとして偏差値だけで工業高校だの商業高校だのと振り分けるのはおかしな話です。技能を身につけるには大学に入ってからでは遅いですから。
さて、無理矢理まとめると、金子みすずの詩に「すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい」とあります。
人と同じじゃないといけない、違うとケンカになるというのではなくて、違いを楽しめるように成長しないといけない。
多文字多言語多文化、21世紀は多様性の時代です。お互いの違いを認めないといけない。日本の教科書を、なんで韓国や中国が決めなきゃいけないの?
それにつけても、円周率を3と決めたのは誰ですか?名を名乗りなさい!
今回は(いつも?)まとまりませんでした、ごめんなさい。


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掲載日 : 2001.05.015
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