延命寺 寺とパソコン
◎報告 第3分科会 「電脳ー仏教とマルチメディア」1999.6.8(火)
講師 愛知県立大学教授 小栗宏次
第3分科会は「電脳-仏教とマルチメディア-」をテーマに開催された。講演に先立ち、事前に行われた、佛教関係のホームページへのアンケート調査(284団体に依頼、87団体から回答有り)の結果が発表された。「信者が増えた」や「壇信徒との親近感が深まった」などの利点もある反面、「更新・内容の充実が大変」など手間暇の掛かることが問題点として挙げられていた。講師は最先端の情報処理システムを研究されている愛知県立大学教授の小栗宏次先生が招かれた(ちなみに先生は仏前挙式を挙げられたとか・・・)。医師を目指し、学業に励んだが、途中でコンピュター関係に感心を示し転向した。しかし、電子カルテや自動診断システムの研究を進め、現在では医学界で実用化されている。 そんな先生の講演内容を幾つか挙げる。
☆日本は戦後、工業社会から情報社会、そして創造社会と移り変わってゆく。
工業社会のキーワードは【HAVE・買う・国家・権力】で、情報社会は【DO・行く・企業・金】となり、創造社会では【BE・私は・個人・文化】がキーワードになる。
すなわち創造社会とは心の社会で、今まで以上に心の教育が大切になる。
その様な時代だからこそ、宗教者の存在が重要視されてくる。
☆現在、私の講義では受講生にインターネットを通じて試験など情報を提供している。
これは、従来では個々に質問を受けてきたものを、ホームページに掲載することによって、一度の対応で済むメリットがある。
☆古くから仏教と情報の結びつきは深く、「説法」「語り」「落語」「瓦版」「富籤」など情報伝達の為にお寺の役割が大きかったことを挙げ、創造社会における仏教、お寺の役割は重要になってくる。
今後の布教活動等の一手段として、インターネットの活用が注目されだした。
コンピューターを利用した布教や情報公開は、確かに魅力的である。
しかし、難しい、面倒だといった先入観が先行して、なかなか手が出ない。
しかし、携帯電話、インターネットなど、この10年間で情報(マルチメディア)を取り巻く環境が大きく変化した。
年々、パソコンの操作性も向上している。
これから10年先、どのように文化が発展していくのか。今迄、苦手意識が先行し、パソコンを嫌っていた方も初めてみては如何ですか。
(担当 金子)
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